診療

概要

◆脳神経外科治療の対象となる疾患は、脳血管障害（脳卒中）、脳腫瘍、頭部外傷、先天性奇形、機能的脳神経外科疾患などに大別されますが、
当科ではこれら全ての疾患に対する治療を行っています。
◆脳血管障害、頭部外傷をはじめとする急性疾患に対しては、365日24時間体制で検査・緊急手術などの対応を行っています。
◆脳腫瘍、機能的脳神経外科疾患などに対しては、術中モニタリング、神経内視鏡、定位的手術、ナビゲーションシステムなどの併用により先進治療を行っています。

診断の特徴・特色

以下の様な疾患を中心に治療を行っています。

◆脳血管障害

１．くも膜下出血（破裂脳動脈瘤）
発症24時間以内の急性期根治手術（脳動脈瘤クリッピング術またはコイル塞栓術）を行い、さらにくも膜下出血特有の種々合併症に対して独自の治療法を開発し
良好な転帰を得ています。

２．未破裂脳動脈瘤
破裂によるくも膜下出血を予防するために、合併症を最小限に抑えた脳動脈瘤クリッピング術または脳血管内治療（フローダイバーター留置術やコイル塞栓術など）を
行っています。

３．脳内出血
独自に開発した神経内視鏡併用定位的装置による低侵襲的血腫除去術を行い良好な転帰を得ています。

４．虚血性脳血管障害（脳梗塞）

外科的適応を把握するための詳細な検査を行い、頚動脈ステント留置術、頚動脈血栓内膜摘除術、バイパス手術など最適な治療を行っています。
また、心原性脳塞栓症に対しては、24時間体制で脳血管内治療（脳血栓回収術）を施行しています。更に、幹細胞療法の治験を行い、将来の幹細胞治療に備えています。

５．脳動静脈奇形
機能的MRI等の複数のMR撮像法や超選択的脳血管撮影を駆使し、詳細な治療方針の検討を行います。摘出術、ガンマナイフ治療、塞栓術を併せた集学的治療を
行っています。

◆脳腫瘍

１．頭蓋底腫瘍・深部脳腫瘍

各種の術中モニタリング、ナビゲーション、神経内視鏡の併用により安全、確実な摘出術を遂行と定位放射線手術の併用を考慮し、
術後の神経脱落症状の回避を目指した治療方針としています。

２．悪性脳腫瘍

手術はナビゲーション、神経生理検査、光線力学療法と診断、覚醒下手術、内視鏡を組み合わせた低侵襲マルチモダリティー手術を実践しています。
術後は先進医療Aによる個別化化学療法や遺伝子パネル検査を行い最適な放射線化学療法を実践しています。
また交流電場療法の併用や先進医療Bを含む各種臨床試験を提供しています。

３．間脳・下垂体腫瘍
視機能と内分泌機能温存を目指したナビゲーションと神経内視鏡の併用による低侵襲手術を行っています。

４．転移性脳腫瘍
担当主科と緊密な連携をとり、手術療法や黒石病院での定位放射線手術を勧めています。
特に定位放射線手術は緩和治療の時期でも生命予後以内にQOLを阻害すると予想される病変に対しては積極的に治療します。

◆機能的脳神経外科疾患

１．顔面けいれん・三叉神経痛・舌咽神経痛
術中モニタリングの併用下に安全かつ確実性の高い微小血管減圧術を施行しています。
手術や薬物療法困難例には定位放射線手術も推奨しています。

２．頑痛症・不随意運動症
脳脊髄電気刺激療法を導入しています。

３．痙縮
脳疾患後遺症の痙縮に対してはバクロフェン髄注療法やボツリヌス療法を積極的に勧めています。

◆先天性奇形および小児脳神経外科

小児科新生児室と協力し、脊椎髄膜瘤手術を出生直後に行っています。また、小児脳腫瘍摘出術後は小児科と共に化学療法を中心とした後療法を行っています。

外来診療案内

・初診受付について
月・金曜日の午前10時半までの予約制で紹介状が必要です。緊急疾患に対しては随時対応しています。

・再来受付について
火〜木曜日の午前11時までです。再来も原則予約制としています。

・特に専門外来は設けず、何れの曜日でも脳神経外科専門医が対応できるようにしています。

・セカンドオピニオンをご希望の方は総合患者支援センター、もしくはがん相談支援センターにお問い合わせください。

臨床成績