本講座の教室員である嶋村則人により、脳神経血管内治療学講座も合わせて開設しております。

はじめに


脳神経血管内治療とは、中枢神経系の血管病変を主な対象疾患としています。方法は、カテーテルと呼ばれる細い管を経皮的に血管内に挿入して病変部に誘導してから、コイル・液体塞栓材料・ステント・バルーンなどの特殊な医療機器を用いて、従来の脳神経外科手術とは異なり切開せずに治療を行う低侵襲医療です。代表的な治療として、脳動脈瘤に対するコイリング術・頚動脈狭窄症に対するステント治療・脳脊髄血管奇形に対する塞栓術・急性期頭蓋内動脈閉塞症に対する血行再建術などがあります。

講座の目的


脳神経血管内治療は低侵襲医療として広く国内外で認知されており、年々そのニーズは高まっています。しかし、アジア及び中近東の多くの国々では、脳神経血管内治療を専門に行う医師が少なく、患者さん達がその恩恵を受けられない状況が続いています。その大きな理由として、脳神経血管内治療を専門とする医師を育成するための教育システムが整っていないことがあげられています。そこで、アジア及び中近東地域の若手医師らを本講座に招聘して、彼らが母国において脳血管内治療に邁進できるように育成することを目的のひとつとしています。さらに、教育効果を逐次検討して脳神経血管内治療学の効率的及び効果的な教育システムを構築します。なお、脳神経血管内治療の修得を希望する邦人の若手医師らも本講座へ招聘し、彼らと多数の経験を共有することで本邦の脳血管内治療専門医育成の一助とします。
また、脳神経血管内治療は新しい医療器材・薬剤の開発進歩により飛躍的に治療成績が向上し治療適応が拡大します。そこで、実験的脳動脈瘤や動脈硬化モデルなどの作成を背景に脳神経血管内治療で用いる新しい医療器材や薬剤の開発も目的としています。